『海事交通研究』第71集寄稿論文、 「2022年山縣勝見賞」、 補助金助成申込みの募集のお知らせ

当財団は、新年1月5日(水)より、以下三事業の募集を順次致しますので、夫々の募集要領(又は早見表)をご覧の上、末尾の連絡先宛、是非ご応募・お問合せをお願いします。

1.海事交通研究第71集寄稿論文募集
当財団は、『海事交通研究』(年報)を1965年(昭和40年)11月に創刊し、海運とその周辺分野に関する最新の研究成果を発表して参りました。≪募集要領へ≫

2.2022年山縣勝見賞の募集
当財団は、2008年に創立者の名前を冠した「山縣勝見賞」を創設し、海事交通文化の調査・研究及び普及・発展に貢献された方々を顕彰し、その研究成果を表彰しております。≪募集要領へ≫

3.2022年度補助金助成申込みの募集
当財団は、海事交通文化の調査研究、その他海事の発展に貢献し、または貢献しようとする事業への補助金助成活動を行って参りました。≪募集要領へ≫


 

※※※※ 1.『海事交通研究』第71集への掲載論文の募集要領 ※※※※

 

1. 『海事交通研究』は海事社会、海事産業における現代的な課題とその解消への試みのみならず、時代に捉われない普遍的な事象の掘り起こしの他、あるべき将来を見据えた秀逸な論考を取り上げることにより、海事に関する諸活動、諸現象の意義を広く一般社会へ知らしめる役割を担い続けています。2022年も同様の方針の下、本誌にふさわしい論考を自由テーマとして募集します。

2. 2021年を回顧すれば、感染症の蔓延と共に進む地球の温暖化に対してこれまでにない危機感を抱いた各国が一体となり、それらの克服、防止に図られるべき先への道筋が示された年でもありました。わが国をはじめ諸外国の海事社会や産業もまた、国際社会における枢要な存在として様々な対応が求められているといえましょう。応募に際し、論考(提言を含む)のテーマとなり得る海事、海運、船舶運航に関わる喫緊の課題につき、ご参考までに幾つか列記します。
 (1)SDGs(持続可能な開発目標)の推進と課題
 (2)「産官学」の連携の強化
 (3)期待される技術革新(AIの利用と展望等)
 (4) 異常気象・海象、地球温暖化の影響と対策
 (5)これからの通信手段の進展と高度化
 (6)ポストコロナ時代のクルーズ
 (7)海上貿易や輸送における変化と海上保険の役割と課題
 (8)海事私法における課題と対応

3. 応募資格者:どなたでも応募出来ます。

4. 応募原稿 :未発表のもので、原則日本語としますが、相談に応じます。共著も可。

5. 容量:A4版縦置き横書き(40字×40行)で最大12ページ(目次・図表・注等を含む)とします。

6. 応募・審査手順:

(1) 以下につき、ご了承の上、ご投稿をお願いします。
  ①二重投稿・剽窃・自己剽窃とみなされる論文等の投稿は不可。他誌/媒体にすでに掲載された文章を一定範囲で再掲される場合は必ずご相談ください。
  ②著書や新聞等の文献から引用した場合及び発想を転用した場合は、出典(著者名・ タイトル・発行所名・発行年月等)を明記する。但し、ウェブサイト上の資料を利用した場合は、URLとアクセスした日付を明記する。

(2) 論文等執筆の申請をされる方は年報掲載論文等執筆申請書(以下「申請書」という)を2022年1月5日(水)~2月28日(月)の間に、メール・郵便(2月28日消印まで有効)又はFAXによりお送り下さい。

(3) 当財団の「年報掲載作品編集委員会」(以下「編集委員会」という)が提出された申請書を審査し、論文等の執筆を応諾するかどうかを3月末までにご連絡致します。

(4) 原稿は2022年7月20日(水)23時59分までを財団着信時刻の締切として、メールに添付して応募することとします。

7. 提出論文の年報への掲載に際しては、査読(注)を経て、編集委員会での審議にて決定し、9月下旬頃までにお知らせします(論文以外の形式で執筆された作品は査読の対象外です)。発行は、12月上~中旬の予定です。査読を経た論文には、≪研究論文(査読付き)≫と明記します。
 (注)査読は、研究論文として応募されたものを対象に、大学または大学に準ずる教育研究機関において教育研究の経験のある者、および民間企業等で実務経験のある者の中で、査読対象の論文の研究分野に精通している者によって行い、
  ①新規性・独創性
  ②有用性
  ③信頼性・公平性・客観性
  ④首尾一貫性、課題達成度、具体的提案
  ⑤読みやすさ
を評価項目とします。

8. 原稿料:年報に掲載された論文等については当財団所定の料率にて原稿料をお支払します。

以 上

過去の年報掲載論文(2017年第66集まで)はこちらから

過去の年報掲載論文(2018年第67集から)はこちらから

 


 

※※※※ 2.「2022年山縣勝見賞」の募集要領 ※※※※

 

1. 募集対象分野 :海運、物流、港湾、造船、海上保険及びその周辺分野をテーマとする著作
(共著も可)、論文並びに業績

2. 募集開始日 :2022年3月1日(火)

3. 応募締切日 :2022年4月30日(土)(当日の消印有効)

4. 賞の種類及び対象 :
① 著作賞  海事関係の単著又は共著で、2019年1月1日から2021年12月31日までの間に発表されたもの。
② 論文賞 海事関係論文で、上記と同期間に発表されたもの。
③ 功労賞 海事交通文化の発展に顕著な業績のあった個人。 特にその業績の対象期間は問わない。
④ 特別賞 上記三賞に匹敵する功績が認められる個人又は法人並びにその事業
なお、既に他の学会又は団体などから受賞している場合でも受賞の資格を有するものとします。

5. 賞金 :各賞とも20万円

6. 応募手続 :応募は、個人・団体の推薦又は自薦によるものとします。
応募者は、 山縣勝見賞推薦/申請書に当該書籍/論文を1部添付の上、提出して下さい。 (書籍は後日返却します。)
なお、推薦/申請書のExcelフォームが必要な方、その他詳細についてはお問い合わせ下さい。

7. 受賞者の発表 :受賞者の氏名等は、2022年6月までに当財団のホームページ、その他海事関連のメディアを通じて発表します。
なお、受賞者への贈呈式は2022年7月18日(月・祝)の「海の日」の前後に行います。

以 上

 


 

※※※※ 3.2022年度補助金助成申込みの募集要領 ※※※※※

 

1. 募集対象分野:海事交通文化の調査研究、その他海事の発展に貢献し、または貢献しようとする事業への支援・助成

2. 募集開始日 :2022年1月5日(水)

3. 応募締切日 :2022年2月28日(月)(当日の消印有効)

4. 申請のための条件 :
(1) 2022年4月から2023年3月までに実施する事業であること

(2) 収益を目的とする事業は対象とせず、海事交通文化の振興又は調査研究に関連する事業であること

(3)2022年3月までに実施したことのある事業の場合、その実績が一定の評価を得ていること。また、これから実施しようとする事業の場合は、当該事業を実施するための実態的な人材・知見が整い、事業目的が明確に示されていること。

(4) 事業の経費のうち、当該事業の実施のために直接必要な経費(以下、直接経費という)を対象とする。一方、当該事業を含む申請者の活動全般に包括的に必要な経費は対象外とする。例えば、機器・図書の購入費、人件費、学会等参加費、交通費、宿泊費等は、直接経費と判断される場合のみ対象とする。

(5)補助金を2023年3月までに使い切れないことが判明した場合は、申請以外の使途に流用することなく、2023年3月までに当財団に差額を返金すること。

(6)申請者の所属する大学等が当該補助金に係る会計処理を担当し、その事業経費を補助金の一部から充当したいとの申し出があるときは協議に応じる。

(7)本補助金を利用して活動した後、本補助金の使途に関する事後報告を、遅くとも2023年4月までに行うこと。

(8)本事業の成果について対外発表する場合は、当財団の補助金による事業である旨の記載を行うこと。

5. 申請手続 補助金助成申請書(又はこれに代え、募金趣意書等)の提出による。

6. 審査結果の発表 :助成審査委員会(2022年3月上旬開催予定)により審査し、理事会(2022年3月中~下旬開催予定)に答申。結果は4月上旬までに申請者宛連絡する。

7. 補助金の振込 :申請者の請求書又は寄附金受入通知(金額、目的、振込口座、名義、振込希望年月日を記載)に対して行う。

以 上


 

【以上三事業の申請書等の送付先・問合わせ先】
一般財団法人 山縣記念財団
〒104-0032 東京都中央区八丁堀3-10-3 正和ビル5F
TEL:03-3552-6310, FAX:03-3552-6311
E-mail: zaidan@yamagata.email.ne.jp

『海事交通研究』(年報)第70集を発行しました。

  12月15日発行後、海事関連の研究者の皆様や企業、団体並びに公立や大学の図書館に配本しました。配本先図書館等はこちらからご覧下さい。
  お手許にお取り寄せご希望の方は、下記の「お問い合わせフォーム」から、またはお電話にてお申込み下さい。
  また、本誌をお読みになってのご感想・ご意見なども是非お寄せ下さい。       
    お問い合わせフォーム
    TEL(03)3552-6310

≪序文から≫
 日本では新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進んでおり、感染者数が大分減ってきておりますが、海外では再び増加している国もあり、また新しい変異株の発見もあり、予断を許さない状況が続いています。
 この感染症が、世界の人々の健康や生活、経済や社会に与えた影響は計り知れないものがあります。感染防止のため人々の対面交流が制約を受けた中で、医療・介護・通信・交通・物流(含・海運)・インフラなど人々が日常生活を送るために欠かせない仕事を担っている「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる人々の仕事の重要性が再認識されています。また、テレワーク(在宅勤務)という働き方やオンラインでの会議やセミナーが普通になってきています。
 ポスト・コロナの「持続可能な」人類の幸せな未来を見据え、待ったなしの「環境」や「デジタル」等への対応の動きも加速してきています。海事社会も、この動きにしっかり歩調を合わせ、歩んでいく必要があります。
 当財団は、このような中で、本年3月に設立80周年記念出版『日本の海のレジェンドたち』を、はじめて出版社から出版し、本書はおかげさまでこのほど「住田海事奨励賞」を受賞することとなりました。執筆者・関係者の皆様とともに、この喜びを分かち合いたいと思います。また5月には木原知己氏の執筆による『躍動する海―さまざまに織りなす「海」の物語』の出版企画にも参画しました。

 さて、本誌の今号では、従来のような「指定テーマ」を設けず、現在話題になっているテーマ候補をいくつか例示するに留めたうえで、全編「自由テーマ」で論文等を募集しました。その結果、従来にも増して、多彩なテーマについての論文等を掲載することが出来ました。先ずは、執筆者並びに査読を頂いた皆様に御礼を申し上げます。
 西本氏の「北極海域における船舶による重質燃料油(HFO)の使用・運搬規制 ―海運の国際的規律と北極域の国際秩序との交錯―」では、北極海航路に適用される環境規制をめぐる動きと今後のあり方について考察を加えています。
 坂巻氏の「無害通航を妨害してはならない義務の射程に関する一考察 ―国連海洋法条約24条1項の起草過程―」では、領海内を無害通航中の船舶への沿岸国の対応に関し、国連海洋法条約の解釈について述べています。
 石田氏の「船員史における家父長制システムの系譜」では、海運界における男女共同参画推進が進まない背景として、船員史における家父長制の本質を探ったうえで、「新しい船員文化」の構築に向けて工夫していくことの重要性を指摘しています。
 若土氏の「活版印刷の発明が及ぼした「海上保険証券」への影響 ―中世ヨーロッパの海上保険証券における雛型の変化―」では、14世紀後半に北イタリアの商業都市で誕生した海上保険が、15世紀中頃に発明された活版印刷技術により、大きく発展した経緯について述べています。本書巻頭で当時の海上保険証券の画像を掲示しましたので、併せてご覧下さい。
 井上氏の「戦前の「鮮満一如」構想による多獅(たし)島(とう)港開発」では、戦前期に、朝鮮総督府と満鉄による共同プロジェクトの一環として進められた一大港湾開発について明らかにしています。
 平田氏の「フィジカルインターネットにおけるブロックチェーン技術の応用性に関する研究」では、物流効率化や温室効果ガス削減への対策としてのフィジカルインターネット(PI)とブロックチェーン技術の最新状況について解説しています。
 吉川氏の「バルクキャリア海上輸送量推移と市況変動要因分析 ―回帰分析による市況変動予測―」では、バルクキャリアの市況動向に焦点を当て、主要貨物の海上輸送量推移と市況変動との連動性及び因果関係を明らかにすべく、データを用いて回帰分析を行っています。
 長谷氏の「国内旅客船の振興とMaaSの活用に向けた事例研究」では、公共交通の利便性向上のためのシステムであるMaaSを国内旅客船に利用した場合の事例研究を行っています。
 高木氏の「タイ王国の河川交通にかかる電動船の可能性についての一考察 ―推進力の変更とタイ小型造船業、変化の兆し―」では、在タイ21年目になる筆者が、タイの小型造船業界の動きを紹介する中で、河川交通などでの電動船の可能性を探っています。

 来年の号でも、今号と同様、自由なテーマで論文等を募集いたしますので、巻末の募集要領をご覧のうえ、ご応募下さるようお願いします。
 最後に、今回もこうして『海事交通研究』をお届け出来ることに感謝しつつ、皆様のご健康とご発展とをお祈り申し上げます。

2021年12月
                           一般財団法人 山縣記念財団
                            理事長    郷古 達也

 

 
 
≪目次≫
序文 郷古 達也
≪研究論文(査読付き)≫
     北極海域における船舶による重質燃料油(HFO)の使用・
     運搬規制
     -海運の国際的規律と北極域の国際秩序との交錯-
西本 健太郎
     無害通航を妨害してはならない義務の射程に関する一考察
     -国連海洋法条約24条1項の起草過程-
坂巻 静佳
     船員史における家父長制システムの系譜 石田 依子
     活版印刷の発明が及ぼした「海上保険証券」への影響
     -中世ヨーロッパの海上保険証券における雛型の変化-
若土 正史
     戦前の「鮮満一如」構想による多獅島(たしとう)港開発 井上 敏孝
≪研究ノート≫
     フィジカルインターネットにおけるブロックチェーン技術の
     応用性に関する研究
平田 燕奈
     バルクキャリア海上輸送量推移と市況変動要因分析
     -回帰分析による市況変動予測-
吉川 貢市
     国内旅客船の振興とMaaSの活用に向けた事例研究 長谷 知治
≪現地レポート≫
     タイ王国の河川交通にかかる電動船の可能性についての
     一考察
     -推進力の変更とタイ小型造船業、変化の兆し-
高木 正雄
 

執筆者紹介
山縣記念財団からのお知らせ
   

 

≪執筆者紹介≫
(掲載順)
西本 健太郎(にしもと けんたろう)
 東京大学法学部卒業後、東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。東京大学大学院公共政策学連携研究部特任助教、同特任講師、東北大学大学院法学研究科准教授を経て、現在同教授および国立極地研究所北極国際環境研究センター教授。研究分野は、国際法、海洋法。近年の主な著書・論文として、『国家管轄権外区域に関する海洋法の新展開』(有信堂高文社、2021年)(共編著)、“The Rights and Interests of Japan in regard to Arctic Shipping,” Robert C. Beckman et al. (eds.), Governance of Arctic Shipping: Balancing Rights and Interests of Arctic States and User States (Brill, 2017)、「国際海事機関(IMO)を通じた国連海洋法条約体制の発展」『国際問題』No.642(2015年)等。所属学会は、国際法学会、国際法協会日本支部、日本海洋政策学会等。

坂巻 静佳(さかまき しずか)
 東京大学法学部卒業。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)(東京大学)。静岡県立大学国際関係学部講師を経て、現在同大准教授。専門は国際法。国際海洋法に関する近著として、“Measures Against Non-Innocent Passage of Warships and Other Government Ships Operated for Non-Commercial Purposes,” Japanese Yearbook of International Law, Vol. 61 (2018)、「BBNJ新協定の地域漁業管理機関に対する影響」坂元茂樹他編『国家管轄権外区域に関する海洋法の新展開』(有信堂高文社、2021年)等。所属学会は、国際法学会、世界法学会、日本海洋政策学会等。

石田 依子(いしだ よりこ)
 奈良女子大学大学院博士後期課程修了。博士(文学)。現在、独立行政法人国立高等専門学校機構 大島商船高等専門学校 商船学科 教授。専門は船員史・船員労働・ジェンダー学・フェミニズム批評理論。主著に、Women at Sea beyond Gender Politics(単著)、 論文では、「女性海賊史序説~18世紀カリブ海の海賊社会におけるジェンダー研究」本誌第58集などがある。2017年には国土交通省海事局船員政策課「女性船員の活躍促進に向けた女性の視点による検討会」委員、現在は「内航船のやさしさ評価制度の確立に関する検討会」委員を務めている。日本航海学会、日本海洋人間学会 会員、及び Women’s International Shipping and Trading Association 理事。2018年4月には国立高等専門学校機構教員顕彰優秀賞、2021年9月には日本海洋人間学会にて優秀論文賞を受賞している。

若土 正史(わかつち まさふみ)
 1973年 関西学院大学商学部卒業後、東京海上火災保険(株)入社、火災新種業務部・営業推進部・代理店部などの本社勤務の他広島・横浜・大阪・長崎などの地方支店にも従事。この間、関西学院大学大学院商学研究科MBA取得。東京海上日動あんしん生命(株)LP営業部長を経て、神戸大学大学院経済学研究科博士課程後期課程修了、「大航海時代におけるポルトガル「インド航路」の海上保険の活用について」で博士号取得(経済学)。同博士論文は2017年山縣勝見賞 論文賞受賞。在学中ポルトガルを中心に海上保険史の調査研究のため1年間ポルトガル・コインブラ大学に客員研究員として留学。現在神戸大学非常勤講師、同大学経済学研究科 研究員。専門は中近世日本経済史。その後も渡航し、ポルトガル及びスペインの古文書館に眠る保険史料を発掘・収集し解読。「保険記録簿から見たポルトガルのインド航路の海上保険について」(本誌第64集、2015年) 「大航海時代におけるポルトガル『インド航路』の海上保険と日本の投銀の接点」(保険学雑誌第642号 2018年)などがある。日本保険学会、日本航海学会に所属。

井上 敏孝(いのうえ としたか)
 奈良大学文学部史学科卒業。兵庫教育大学大学院(修士課程) 修了。兵庫教育大学大学院(博士課程) 博士号(学校教育学)を取得。兵庫教育大学(現在に至る)及び姫路大学等での非常勤講師等を兼ねつつ、大阪の常磐会学園大学専任講師として、保育士・幼稚園・小学校・中学校の教員養成に携わり現在に至る。専門は、日本史・台湾史・アジア史・経済史・教科教育学関連。主な著書は、『日本統治時代台湾の築港・人材育成事業』晃洋書房(単著)・『日本統治時代台湾の経済と社会』晃洋書房 (共著)・『中国の政治・文化・産業の進展と実相』晃洋書房 (共著)・『軍港都市史研究 要港部編』清文堂出版 (共著)が、近年の論文としては、「戦前期における土木会議の設立について-港湾部会での審議事項を中心に-」『土木学会論文集D2(土木史)』Vol.77、1号・「戦前のバンコク港を巡る国際コンペへの参加と設計案について」『タイ国情報』第55巻第5号等がある。

平田 燕奈(ひらた えんな)
 中国東北財経大学卒業。神戸大学経営学研究科博士後期課程修了。神戸大学数理・データサイエンスセンター特命准教授。経営学博士。1998年、A.P.Moller‐Maersk Group入社。カスタマーサービス、営業、航路管理、マーケティング、Eコマース部門において管理職を歴任。2018年5月より、Maersk社とIBM社の協業ユニットであるTradeLensにおいて、ブロックチェーン物流プラットホームの開発推進に従事。2019年神戸大学数理・データサイエンスセンター入職。データサイエンス人材の育成に従事しながら、海運物流分野での経済・経営理論とデータサイエンス手法を融合した研究を行っている。著書としては、『e‐Shipping―外航海運業務の電子化』、『データサイエンス基礎』(共著)、近年の論文としては、「サプライチェーンマネジメントにおけるブロックチェーン技術の応用:機械学習アルゴリズムを用いる解析」、「自然言語処理手法によるCOVID-19が海運・物流に与える影響の考察」などがある。2016年10月日本海運経済学会国際交流賞受賞。

吉川 貢市(よしかわ こういち)
 早稲田大学社会科学部卒業後、シンガポール国立南洋理工大学土木環境学部修士課程修了。現在、早稲田大学社会科学研究科後期博士課程「国際経営論長谷川ゼミ」にて就学中。主な発表論文に、「バルクキャリア船舶投資に於ける最適化モデルの考察 ―分散型投資に於ける収益性向上とリスク軽減のコントロール―」(日本海運経済学会『海運経済研究』2020 年第 54 号、2021年第21回日本海運経済学会国際交流賞受賞)、「大型バルクキャリアの海上輸送数量と海運市況との連動性」(日本物流学会『日本物流学会誌』2021 年第 29 号)がある。所属学会は、日本海運経済学会、日本交通学会、日本物流学会、国際ビジネス研究学会。

長谷 知治(はせ ともはる)
 1994年東京大学法学部卒業後、運輸省(現国土交通省)入省。運輸省運輸政策局貨物流通企画課、近畿運輸局運航部輸送課長、国土交通省海事局総務課専門官、同油濁保障対策官(外航課課長補佐併任)、人事院在外派遣研究員(英国運輸省海事局)、総合政策局地球環境政策室長、東京大学公共政策大学院特任教授等を経て、2021年より同大学院客員研究員・非常勤講師、自動車局保障制度参事官。船舶職員法、油濁損害賠償保障法の改正や、油濁損害に係る追加基金議定書の策定等に従事。本誌第59集(2010年)掲載論文「環境に優しい交通の担い手としての内航海運・フェリーに係る規制の在り方について~カボタージュ規制と環境対策を中心に~」は、2011年山縣勝見賞論文賞を受賞。他に「日本の海運に係る環境政策の策定過程とその対応」本誌第67集(2018年)など。所属学会は日本公共政策学会、日本海洋政策学会

高木 正雄(たかぎ まさお)
 桃山学院大学卒(経済学士、体育会ヨット部所属)。1974ー2003年まで大阪商工会議所(大商)在籍。1990-1992年アジア太平洋トレードセンター(ATC)に出向。大阪南港にあるATCで毎日、海を見ながら勤務。大商復帰後に1級小型船舶操縦士の資格取得。2000年4月-2004年4月大商からバンコク日本人商工会議所(JCC)事務局長として出向。任期満了と共に、大商も早期退職、バンコクで市場調査の会社を設立、現在に至る。ASEAN各国の自動車、エネルギー関連の市場を調査する。2009-2019年一般財団法人海外職業訓練協会(OVTA)のアドバイザー。OVTAのウエブサイトでは毎月「タイの労働事情」を執筆した。2014年から日本海事新聞に毎月「タイの便り」を連載中。2021年タイの船舶EV化特集など東南アジアレポーターとして運輸と物流面を取材。
                                                   (敬称略)

冬季休業のお知らせ

2021年12月25日(土)から2022年1月4日(火)まで冬季休業とさせて頂きます。

山縣記念財団80周年記念出版編集委員会 編『日本の海のレジェンドたち』が、住田海事奨励賞を受賞しました。



(一社)日本海運集会所は、「住田海事賞三賞」の受賞者を決定し、11月12日同所にて授賞式を行いました。

住田海事奨励賞には、山縣記念財団80周年記念出版編集委員会 編『日本の海のレジェンドたち』(2021年3月、海文堂出版発行)が選ばれました。

詳細は、(一社)日本海運集会所ホームページから「住田海事賞三賞」 受賞者決定のお知らせをご覧下さい。

本書の内容については、こちらをご覧下さい。

本書の購入は、全国の書店(在庫がなくても注文で取り寄せ可能)やオンライン書店経由でお願いします。問い合わせは海文堂出版㈱ 臣永(とみなが)氏(Tel 03-3815-3291(代))までお願いします。

一般財団法人 山縣記念財団
TEL: 03-3552-6310
E-mail: zaidan@yamagata.email.ne.jp

「第49回我ら海の子展」を後援しました。

「第49回我ら海の子展」(主催 一般財団法人サークルクラブ協会、公益社団法人日本海洋少年団連盟)の最終審査会が2021年7月16日ホテル・ニューオータニ(東京)にて開催され、当財団は後援団体として参加しました。
全国の中学生、小学生、幼児から「私の海」をテーマにした絵画3,953点の応募がありました。
その内、国土交通大臣賞3作品(中学生の部、小学生高学年、低学年以下の部)はじめ、主催者、後援者、個人審査員による特別賞、金賞、銀賞の合計56作品が決まりました。
なお、新型コロナウイルス感染防止の観点から、授賞式については、残念ながら中止となりました。

(※以下の写真をクリックすると、拡大画像が表示されます。)

「第49回我ら海の子展」最終審査会後の審査員集合写真
2021.7.16 於ホテル・ニューオータニ(東京)


山縣記念財団理事長賞には、中学3年生 加藤 奈那(かとう なな)さんの
絵画「豊漁の朝」が選ばれました。

今後の受賞作品展示会の日程は、以下の通りです。

・ 8月5日(木)~ 9月8日(水)午前まで、銀座ギャラリー(東京メトロ銀座駅・日比谷駅間の地下連絡通路)
・ 9月13日(月)~ 9月24日(金)午前まで、国土交通省 1階ロビー(平日のみ)
・ 10月7日(木)~11月7日(日)アクアマリンふくしま(福島県いわき市小名浜字辰巳町50)
・ 12月11日(土)~ 1月10日(月)琴平海洋博物館「海の科学館」(香川県琴平町)
・ 日程未定 アクアワールド茨城県大洗水族館(特別賞のみ)

 

夏季休業のお知らせ

2021年8月13日(金)は夏季休業とさせて頂きます。

評議員・理事の異動について

6月14日付にて、以下のとおり異動がありました。
・評議員
  苦瀬博仁評議員が辞任したことに伴い、木原知己(きはらともみ)氏が評議員に就任しました。
  新たに、味水佑毅(みすいゆうき)氏が評議員に就任しました。
・理事
  評議員を辞任しました苦瀬博仁氏が、新たに理事に就任しました。

これに伴い、財団案内-役員・評議員・研究員のページを更新しました。

2021年山縣勝見賞受賞者決定

 当財団は、2008年に設立者の名前を冠した「山縣勝見賞」を創設し、海運を中心とする海事交通文化の研究及び普及発展に貢献された方々を顕彰し、その研究成果(著作・論文)や業績を対象として表彰する制度を発足しましたが、このほど「2021年山縣勝見賞」の受賞者が下記の通り決定しましたので、お知らせ致します(敬称略)。

   

≪著作賞≫
 該当者なし

   

≪論文賞≫
小林 充(こばやし みつる)著「内航船ウェザールーティングの開発と改善に関する研究」
(東京海洋大学 博士学位授与論文 2020年3月認定 工学博士)

受賞者略歴
 1969年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科電気工学専攻修士課程修了。2002年独立行政法人海上技術安全研究所(現・国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所)入所。以降、人工知能、最適化技術を航海支援の分野に適用する研究に従事。内航船向け航海計画最適化の研究を(一財)日本気象協会、東京海洋大学と共同で実施し、同協会より「ECoRO(エコロ)」として実用化。2020年東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科応用環境システム学専攻博士後期課程修了、博士(工学)。同年より国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所 知識システム研究グループ長。発表論文として「AISによる黒潮沿岸域における船舶偏流の推定」(『日本船舶海洋工学会論文集』第28巻)など。

授賞理由
 外航で普及しているウェザールーティングを内航海運のニーズと特性に適合するよう構成し、大学、気象情報提供会社、航海電子機器メーカーと連携して乗組員が操作できる船載のウェザールーティングシステムの開発および気象情報提供・最適航路計算サービスを創設することで、内航船の競争力強化と CO₂排出量削減へ貢献、内航船へのウェザールーティングの普及および性能向上に寄与するものと認められる。

    

≪功労賞≫
 該当者なし

    

≪特別賞≫
北前船日本遺産推進協議会(きたまえぶねにほんいさんすいしんきょうぎかい)

授賞理由
 2017年、日本遺産に北前船寄港地・船主集落11市町(北海道函館市、松前町、青森県鰺ヶ沢町、深浦町、秋田県秋田市、山形県酒田市、新潟県新潟市、長岡市、石川県加賀市、福井県敦賀市、南越前町)が認定されたことを受け、同年5月日本遺産魅力発信推進事業を推進するために発足。各市町の魅力ある有形・無形の文化財群の知名度を更に高め、観光客誘致や交流人口の拡大などにより地域の活性化を図ることを目的として活動しており、現在、16道府県48市町にまで拡大。これらの活動を通じて、わが国の海事交通文化の発展に寄与した功績に対して表彰する。

    

≪特別賞≫
木村 博一(きむら ひろかず)(広島大学教授) 及び 村上 忠君(きむら ただきみ)(広島大学附属三原小学校契約教諭)

受賞者略歴
木村 博一
 1958年生まれ。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了。愛知教育大学助手、助教授、広島大学学校教育学部助教授、広島大学大学院教育学研究科教授を経て、現在広島大学大学院人間社会科学研究科(教育学系)教授。博士(教育学)。専門分野は社会科教育学。著書に『日本社会科の成立理念とカリキュラム構造』風間書房2006年、『「わかる」社会科授業をどう創るか―個性ある授業デザイン―』(編著)明治図書2019年、『板書&写真でよくわかる365日の全授業 小学校社会科』明治図書2021年 他多数。所属学会は全国社会科教育学会(会長)、日本社会科教育学会(評議員)、日本教科教育学会(常任理事)、他。

村上 忠君
 1956年生まれ。神戸学院大学法学部法律学科卒業。因島市立土生小学校・同田熊小学校・広島大学附属三原小学校教諭、府中市立北小学校教頭、尾道市立原田小学校教諭を経て、現在、広島大学附属三原小学校契約教諭。研究教科は社会科。著書に木村博一編著『板書&写真でよくわかる365日の全授業 小学校社会科』明治図書2021年、論文に「国際的資質を育てる小学校社会科歴史学習~「ノルマントン号事件」と「エルトゥールル号の遭難」を事例として~」2010年、等。所属学会は全国社会科教育学会。

授賞理由
 木村氏は、広島大学大学院教育学研究科教授として、小学校の社会科教育で「海事教育」の研究に注力するとともに、広く人材育成に努めている。村上氏は、広島大学附属三原小学校ほか複数の小学校において、「海から観た社会科」を研究テーマとして、海事教育などの教材開発を木村氏と共に行い、その授業においての実践を通して、更なる改善を図るとともに、人材育成に努めている。これらの活動を通じて、広くわが国の海事交通文化の発展に貢献した功績に対して表彰する。

                                                     以上

山縣記念財団ライブラリー第2弾 木原知己著『躍動する海-さまざまに織りなす「海」の物語-』発行

 

 この度、先の山縣記念財団80周年記念出版『日本の海のレジェンドたち』に続く当財団ライブラリーの第2弾として、船舶金融論や海事文化論でご活躍の木原知己氏による著作『躍動する海-さまざまに織りなす「海」の物語』が刊行となりました。
 本書は、「海」を歴史的・文化論的に様々な観点から捉えた読み応えのある一冊となっています。
 海文堂出版㈱の特約書店一覧は以下に掲載されていますが、それ以外からの注文やオンライン書店経由でも取り寄せが可能です。問い合わせは海文堂出版㈱ 臣永(とみなが)氏までお願いします。
 なお、当財団は本書の販売には、一切関与しておらず、また、印税など収益も発生しません。

海文堂出版

(特約書店一覧掲載サイト)

書籍データ
発行年月 2021年5月
判型 A5判
ページ数 336ページ
定価 2,860円(税込)
ISBNコード 978-4-303-63443-8

 

≪「はじめに」から抜粋≫
 ふとしたことから「海」について体系的にまとめてみようと思い付き、『躍動する海―さまざまに織りなす「海」の物語』というタイトルでその構想はまとまりました。
 海はスケールが大きく、ミステリアスにしてフレンドリーです。わたしたちはそうした「海」なる風土性が反映される時間の流れのなかで息づいており、それは、わたしたちが「海」によって織りなされる“文化”とともにあるということです。
 公益財団法人日本海事センターによる「海に関する国民の意識調査」(2014年)によれば、「海が好き」と回答した人は69.9パーセント(前年の調査結果では69.3パーセント)、「海が嫌い」と回答した人は3.3パーセント(同2.7パーセント)、「どちらとも言えない」が26.8パーセント(同28.0パーセント)となっています。男女別でみると女性よりも男性の方が海に対する好感度は高く(男性75.7パーセント、女性64.7パーセント)、「海が好き」と回答した10代の若い層が前年比12.3パーセント増の69.2パーセントと調査開始以来最高を記録したようです。
 海が好きな理由は「落ち着く・癒される・安らぐ・心が和む・リラックスできる・安心感がある」がもっとも多く、「泳げるから・遊べるから」と続きます。逆に海が嫌いな理由は、「汚い・汚れる・臭いが嫌・ベタベタする」がもっとも多く、「見るのは好きだが泳ぎたくない・入りたくない」と並んでいます。好きでも嫌いでもどちらでもないのは、「行く機会がない・遠い」からのようです。海から連想することの1位はレジャーで53.9パーセント(前年は54.3パーセント)、観光14.7パーセント、船9.8パーセント、環境問題4.1パーセント、海洋資源3.5パーセント、海に係わる仕事1.6パーセントと続いています。レジャーと回答した人を年代別でみると、60代は3割台ながら20代から40代は6割を超えています。高年齢層は海に「静」、若い層は「動」の要素を求めているのでしょうか。
 以上の調査結果から見えてくるのは、少なからぬ日本人が「海」に対して関心を示しており、「海」が多くの日本人の心の原風景として息づいているということです。海洋国であれば当然かもしれませんが、なんだかホッとします。敢えて言うまでもなく、島国であるわが国において海は身近な存在であり、遠洋にまで出かけていく漁船団、貿易立国を支える海事産業―わが国貿易量の99.6パーセント(重量ベース)を担っている(『SHIPPING NOW 2020–2021』)―の恩恵を受けてわたしたちは日々の生活を送っています。海はわたしたちの暮らしそのものと言っても良く、海について改めて考えることでわたしたちの生活はより実りあるものになるにちがいありません。
 本書では「海」が主役であり、海についての大まかな整理、わたしたちの祖先と海の出会い、わたしたちの日々の生活と海の関わり、わたしたちが海に対して抱く心の問題、海と文化、すなわち海と科学(サイエンス)や技術・創造性(アート)との関係性、「海洋国」のあるべき姿をメインストリームとしています。海を扱うとなれば、海洋学など自然科学の分野とされがちです。しかし、これからの海洋について語るとき、自然科学に裏付けられた社会科学や人文科学の知見に基づく分析と総合が重要になる、と、わたしは確信しています。本書はそうした考えに基づいています。

 

≪目次≫
第1章 「海」の諸相
 1. 「海」の雑学
 2. 七つの「大洋」
 3. 大洋の「付属海」
 4. 運河
 5. 母にして女性なる「海」
 6. スケールの大きい「海」
 7. ミステリアスな「海」
 8. フレンドリーな「海」
第2章 ホモ・サピエンスと「海」
 1. 「海」の誕生
 2. ホモ・サピエンスの誕生と「海」
 3. ホモ・サピエンスの移動と「海」
 4. ホモ・サピエンスの“日常”と「海」
第3章 わたしたちの“心”を織りなす「海」
 1. 正(プラス)の心を織りなす「海」
 2. 負(マイナス)の心を織りなす「海」
 3. 冒険・探検を織りなす「海」
第4章 交易・文化を織りなす「海」
 1. 交易を織りなす「海」
 2. 文化を織りなす「海」
第5章 わが国の交易・文化を織りなす「海」
 1. 稲作文化、金属文化の伝来
 2. 儒教、仏教の伝来
 3. 遣隋使の派遣
 4. 遣唐使の派遣
 5. 日宋貿易
 6. 武士の勃興と「海」
 7. 日明貿易
 8. 倭寇
 9. 南蛮貿易と文化の伝来
 10. 朱印船貿易
 11. 家康の交易振興
 12. 家光の鎖国政策と内航網の確立
 13. 朝鮮通信使
 14. 江戸期いろいろ
 15. 「文明開化」への助走
 16. 明治期における文化の伝来
 17. 浸潤する西洋文化
 18. 「教えを乞う」ということ
 19. 産業の興隆
 20. 海外においてわが国の文化を織りなす「海」
最終章 わたしたちの“明日”を織りなす「海」
 1. 海村を織りなす「海」
 2. 「海」の未来と社会
 3. 真の「海洋国」をめざして

 

≪プロフィール≫
木原知己(きはら ともみ)
1984年4月に九州大学法学部卒業後、日本長期信用銀行(現新生銀行)入行。資本市場業務のほか、主として大手海運会社向け船舶融資業務を担当し、営業第八部長(海運・鉄道担当)を経て、高松支店長を最後に同行退職。その後、都内金融機関を経て2011年に青山綜合会計事務所顧問に就任。パートナーを経て退職。現在、センチパートナーズ(株)代表取締役、早稲田大学大学院法学研究科非常勤講師(「船舶金融法研究講座」)、海事振興連盟3号会員、海洋立国懇話会理事運営委員などを務める。専門は船舶金融論・海洋文化論。著書に『シップファイナンス―船舶金融概説(増補改訂版)』海事プレス社(2010年):住田海事奨励賞受賞、『船主経営の視座―税務・為替の手引』海事プレス社(2011年)、『波濤列伝―幕末・明治期の“夢”への航跡』海文堂出版(2013年)、『船舶金融論―船舶に関する金融・経営・法の体系』海文堂出版(2016年、2訂版(2019年)):山縣勝見賞著作賞受賞、『号丸譚―心震わす船のものがたり』海文堂出版(2018年)、編著(編集者代表)に『船舶金融法の諸相―堀龍兒先生古稀祝賀論文集』成文堂(2014年)、『日本の海のレジェンドたち―山縣記念財団80周年記念出版』海文堂出版(2021年)がある。

 

山縣記念財団80周年記念出版編集委員会編『日本の海のレジェンドたち』発行



 

 令和2 年(2020)6 月に設立80 周年を迎えた記念として、3月28日、当財団として初めての試みである一般書店での販売も可能となるよう、このたび海文堂出版㈱から出版しましたのでお知らせします。
 執筆者は、海事・海運の研究者や登場人物にゆかりの人々で総勢21名。海を舞台に活躍、また海事産業の発展に寄与したレジェンドともいうべき偉人20余名の評伝集です。
 「日本の海のレジェンドたち」が、いかにその時代の課題を見つめるとともに将来へのヴィジョンを描き、より良き時代の到来に向けて努力を重ねてきたか、現代を生きる私たちにも参考となると思います。
 海文堂出版㈱の特約書店一覧は以下に掲載されていますが、それ以外からの注文やオンライン書店経由でも取り寄せが可能です。問い合わせは海文堂出版㈱ 臣永(とみなが)氏までお願いします。
 なお、当財団は本書の販売には、一切関与しておらず、また、印税など収益も発生しません。

海文堂出版

(特約書店一覧掲載サイト)

書籍データ
発行年月 2021年3月
判型 A5判
ページ数 288ページ
定価 2,750円(税込)
ISBNコード 978-4-303-63442-1

 

≪目次≫
第一部 助走~世界に冠たる内航海運を支えたレジェンドたち~
 河村瑞賢
 大黒屋光太夫
 高田屋嘉兵衛
 銭屋五兵衛
第二部 ホップ~海外と関わったレジェンドたち~
 勝海舟
 小栗上野介忠順
 ジョン万次郎
 坂本龍馬
 漂流譚のなかのレジェンドたち
第三部 ステップ~海事産業の近代化を担ったレジェンドたち~
 岩崎弥太郎
 荘田平五郎
 浅野総一郎
 郡寛四郎
 松方幸次郎
第四部 ジャンプ~海事産業の発展に寄与したレジェンドたち~
 山下亀三郎
 各務鎌吉
 勝田銀次郎
 村田省蔵
 内田信也
第五部 未来へ~海事産業を新たなステージへと導いたレジェンドたち~
 森勝衛
 和辻春樹
 住田正一
 有吉義弥
 山縣勝見

 

≪はしがき≫
 本書は、江戸時代以降、海を舞台に活躍した「レジェンドたち」の評伝を集めたものです。その中には商人や武士もいれば、偶然の漂流から生還して一躍ヒーローになった庶民もおり、また、明治・大正・昭和期に海事産業の近代化に尽くした海運企業の経営者、さらには大船長の名前もあります。
 わが国は、「海の日」を「国民の祝日」にしている唯一の国です。「海の日」は、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」ことを目的に制定された祝日です。四面を海に囲まれたわが国は、古来、海から多くの恩恵を受けてきました。海のおかげで、湿潤で温暖な気候や風土、豊かな海産物や資源に恵まれ、そこには漁業等を営む人々がいましたし、また、船によって、離れた地域と物資をやりとりする貿易商たちや海運企業で働く人々がいました。時代が進み、人口が増加し、海外とのヒト・モノ・文化の往来もますます活発になりました。こうして海は「世界を隔てるもの」ではなく「世界をつなぐもの」になったのです。
 本書の編集者である一般財団法人山縣記念財団は、「海事交通文化の発展に寄与すること」を目的として、昭和15年(1940)、当時の辰馬汽船(現在の商船三井の源流の一つ)社長であった山縣勝見によって設立され、令和2年(2020)6月に設立80周年を迎えた記念として、本書を企画しました。企画の動機は、当財団の設立時期よりさらにさかのぼって、江戸時代以降の「日本の海のレジェンドたち」がいかにその時代の課題を見つめるとともに将来へのヴィジョンを描き、より良き時代の到来に向けて努力を重ねてきたか、現代を生きる私たちにも参考になることはないか検証したい、という考えからです。
 この文章を書いているいま現在、世界は新型コロナウイルス感染症という未曽有の危機に直面し、人々の健康に対してはもちろん、生活や仕事にも大きな影響が出ています。しかし、この間も「海運」をはじめとした「物流」は片時も止まることなく、人々に食料・生活物資・エネルギーを供給し続けています。「海運」が人々の生活の「基本インフラ」であること、「船員」という仕事がいかなる状況であっても「エッセンシャル・ワーカー」であることを多くの皆様に是非知っていただきたい、そして、離れた地域間、ひいては世界中の人々と平和的に共存共栄できるようなつながりを求め、海上交通網を構築し、維持・拡大に努力してきた人々、その中で活躍した人々に思いを馳せていただきたい、そうした思いを胸に本書を皆様のお手元にお届けさせていただく次第です。
 最後になりますが、これだけ多くの「日本の海のレジェンドたち」が生きた航跡を紹介できるのも各評伝を執筆いただいた21名の皆様、並びに資料や画像を提供してくださった皆様のおかげであり、ここに心からお礼を申し上げます。
 また、これまで当財団の出版物は海事関係者など限定した範囲での配布としていましたが、本書については、より多くの方に読んでいただきたいとの願いから、初めて出版社経由での出版といたしました。本書の企画段階から、編集、出版に至るまで終始多くの助言をいただいた編集委員の先生方、並びに、海文堂出版の臣永真氏に、この場を借りて改めてお礼申し上げます。  

2021年2月

                   一般財団法人 山縣記念財団 
                     理事長   郷古 達也